サウナと、科学と民間療法に基づいたその治療効果

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何世紀も前からサウナが利用されているエストニアでは健康を維持しさまざまな健康上の問題を治療するための手段としてサウナは非常に重要な役割を担ってきました。

エストニアのサウナの伝統に則り、また現代の医学研究に基づいて、ウナの治癒効果を詳しく見てみましょう。

サウナ、それは農民の医者である

「サウナ、それは農民の医者である」、「サウナは貧民の癒し手、サウナの蒸気が治療法」といったことわざがエストニアのさまざまな地域で世代を超え受け継がれてきたのには、理由があります。

Tamara Habich氏は著書『Eesti saun』の中で、サウナはエストニア先住民の医学に欠かせないものとして、その歴史に関する興味深い洞察を記しています。何世紀もの間エストニアの農民にとっては、世代を超えて受け継がれてきた民間の知恵を生かして自分の身体を治療することは当たり前のことでした。

 

  • 日常的にあらゆる健康問題に対してあらゆる民間療法がありますが、中でもサウナは特に重要な役割を果たしていました。さらに、定期的にサウナに入ることは、健康を増進し長生きするための秘訣だと考えられていました。

癒し効果があることで知られるサウナ

過酷な肉体労働の後に骨や関節の痛み、筋肉痛や腹痛があるときは、サウナで痛みを和らげることができるとされてきました。    ウィスクでさっと体をはたくのは、昔も今もエストニアで行われている最もポピュラーなサウナ儀式です。白樺以外に、他の植物(ジュニパー、オーク、シダ、イラクサなど)もウィスクとして使用されてきました。これらの植物はそれぞれ特有の効能を持っており、あらゆる健康上の問題を軽減する効果があると考えられてきました。

病気や症状の原因が不明な場合でも、サウナに行って良い汗をかき、 白樺の小枝で体をはたくことは効果的であると常に考えられていました。

現代科学は民間の知恵を調査し、サウナが実際に具体的で根拠に基づいた健康効果をもたらすのかどうか、検証しようと試みました。現在までに、さまざまな研究がサウナの健康効果を証明しています。

2018年、Mayo Clinic Proceedingsは、80℃〜100℃のサウナ浴を頻繁に行うことで、以下のリスクの低減につながる可能性があるという考察 を発表しました:

  • 高血圧、心血管疾患、神経認知障害などの血管疾患
  • 肺疾患などの非血管性疾患。

さらに、サウナが関節炎、頭痛、インフルエンザの症状を軽減し、健康状態の全体的な改善に役立つという証拠も示されています。 

American Journal of Medicineに掲載された調査によると、サウナの効果として以下の症状が期待されています:

  • 呼吸器疾患のある人の呼吸と肺機能を改善する
  • リウマチ性疾患患者の痛みを軽減する
  • 厚くなった皮膚の鱗屑を除去しやすくし、乾癬など特定の皮膚疾患がある場合その症状を軽減します。

では、なぜサウナは私たちの体にこれほど良い影響があるのでしょうか?
サウナの強い熱は通常ではありえない環境を作り出し、その状況に対して体は特別なプロセスにて反応します。

  • 身体は血液循環と呼吸を刺激し始め、心血管系と免疫反応を促し、エンドルフィンの生成を促進します。

これらすべてが、上記のような良い健康効果をもたらしています。サウナの健康効果は、実際の身体活動による効果にも匹敵します。

結論

サウナでこのような素晴らしい効果を得るには、他人の言葉を鵜呑みにするのではなく、ご自身の現在の健康状態に合わせてサウナの温度を調節することが大切です。サウナに行くという経験は、常に気持ちよく楽しいものであるべきです。サウナは自分が気持ちいいと感じる温度に設定し、必要に応じていつでも休憩を取りましょう。サウナで無理をしてしまうと、期待していたものとは反対の効果を得てしまう可能性もあります。 一般的に、サウナは健康な人にとって安全だと考えられています。ただし、病気を患っていたり妊娠中の方はお気をつけください。サウナが安全に利用できるかどうか判断できないときは、医師に相談し、自分の体の声に耳を傾けてみてください。

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