サウナの換気:最も重要な考慮すべき点とはなんでしょうか?

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gtap
Aire X Sauna by Heartwood Saunas
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良いサウナの秘訣は、綿密に計画された換気ソリューションです。
残念ながらサウナの設計において、その換気システムとプランニングはあまり重視されない傾向にあります。サウナ内の酸素濃度を濃く保つことは、サウナヒーターの容量やサウナストーンの量、サウナベンチの幅や高さと同じくらい重要です。スチームルームの空気循環がうまくいっていない場合、空気不足で息苦しさが生じてきます。換気システムが適切に設計されていないと、部屋の空気が成層化し、サウナベンチの下段の温度が低下してしまいます。

換気システムの不備による空気の成層化は、サウナを設置するにあたって最もありがちなミスです。

換気システムの種類と構造は、使用するストーブの種類によって異なります。そのためサウナ用ストーブを選ぶときは、必ず換気システムについて考慮しましょう。一般的な換気システムは 次の3つの要素(場合によっては2つ)で構成されています:

  • 給気管
  • 排気管
  • 乾燥管

換気システムは、サウナ室が重力式換気なのか機械換気なのかによって異なります。一般的に、入ってくる冷たい空気はストーブの熱に触れて温まり室内に循環を起こすため、給気管はストーブ近くの適切な高さに配置する必要があります。

換気システムの選択はストーブのタイプによって異なります

スチームルーム内の空気循環は、それぞれのストーブに応じて対応している必要があります。電気ストーブには、木材を使用するストーブとは異なる換気ソリューションが必要です。炉の扉(ストーブ)がスチームルームの内側にあるのか、それとも部屋の外側から加熱するタイプなのかを考慮する必要があります。また、ストーブの構造も重要です。換気システムを設計する際には、密閉型ストーブ開放型またはネット型ストーブの違いを理解することが重要です。

密閉型ストーブの場合

  • 空気が下から上に循環し、石はストーブの上に置かれます。よくあるミスは、密閉型ストーブの中央の空気の通らない場所に給気菅を設置することです。この場合、入ってくる空気は適切に加熱されず、十分な空気循環が行われません。また、密閉型ストーブが電気式か薪式かは関係ありません。入ってくる空気は、サウナとストーブの特性に応じて、ストーブの下またはストーブの上に向けられるべきです。具体的なケースについては以下を参照

ネット型ストーブの場合

  • 側面が開いており、四方から空気が十分に入ることのできるネットの中に石が設置されています。給気管はストーブの中央に配置が必要です。これにより空気がストーブの中心に送られ、そこで加熱されて上昇し、室内に空気の循環が生まれます。

乾燥

すべてのサウナには、乾燥管が必要です。乾燥管とはその名の通り、使用後にサウナを乾燥させるために使われるパイプを指します。サウナ内の湿気が強すぎる場合、また酸素量が不足している場合は、乾燥管を開けましょう。しかし可能であれば、乾燥菅はサウナの乾燥時にのみ開け、その他の問題解決には利用しないようにしましょう。室内の熱に層ができて足元が冷える可能性があるため、サウナの使用中は乾燥管を閉めておいてください。乾燥管は熱源から離れた場所の、天井か壁の高い位置に設置してください。

機械換気

機械換気システムは、電気ストーブや、別の部屋から加熱するストーブ(つまりスチームルームに炉の扉がない)に共通するシステムです。ただし、スチームルームから木材を入れる薪ストーブには特別な注意が必要です。

Layout drawings

  まず、これらのグラフをご覧いただき、以下の詳細な説明をご参照ください。
 

Supply air

密閉型ストーブのサウナでは、給気管ソリューションの種類として2種類の方法が考えられます。1つは、給気管をストーブの上(床から80cm以上)に直接設置する方法です。この場合、入ってきた冷たい空気は加熱されたストーブの上部に触れて加熱され、空気循環を生み出します。もう1つの選択肢は、入ってくる空気をストーブの下に誘導し、高温のストーブに引き込ませる方法です。  ネット型ストーブの場合、入ってくる空気はストーブの中央部分(ただし床から40cm以上の高さが必要)に誘導する必要があります。  密閉型ストーブであってもネット型ストーブであっても、加熱に木材を使用する場合は、給気管は炉の扉の反対側に設置する必要があります。給気管が炉の扉の近くにある場合は、空気循環に加わることなく炉の扉から外へ出てしまいます。

薪サウナに機械換気がある場合は、燃焼のためにより多くの酸素供給が必要になります。

そのため、炉の近くに熱給気管を追加で設置する必要があります。ストーブメーカーによる給気口の断面図をご参照ください。  

Exhaust air

排気管は、ストーブの反対側の壁に設置する必要があります。床から60cm以内の距離で、足元の後ろにくるようにしてください。ただし空気は機械的に循環するので高さはそれほど重要ではなく、排気管を給気管の下に設置することも可能です。

機械換気装置の設置は専門家が必要となります

機械換気システムを計画、設置、または調整する場合は、専門家に相談することをお勧めします。設置またはメンテナンスが不適切な場合、薪ストーブの機械換気システムは気圧の低下を引き起こし、一酸化炭素 (CO)の濃度を危険なレベルまで増やしてしまう可能性があります。機械換気システムを設置する方法はいくつかあります。建物の換気システム全体が、1つの機能として成り立っていなければなりません。

重力式の換気

電気ヒーターを使用する場合でも、別の部屋から加熱を行う薪ストーブを使用する場合でも、重力式の換気のロジックは同じです。ただし、スチームルームから薪を入れるストーブを使う場合は、重力式の換気は別のロジックに従ってください。

Layout drawings

  まず、これらのグラフをご覧いただき、以下の詳細な説明をご参照ください。
   

Supply air

電気ストーブまたは別の部屋から薪を入れる薪ストーブ

重力式の換気を採用した 密閉型ストーブ の場合、給気管は床の近くに設置することで、空気が下からストーブに触れ、加熱され、空気循環を発生させることができます。もう1つの選択肢としては、給気管をストーブの真上 (床から80cm以上) に設置する方法です。ただし、ネット型ストーブの場合、給気管はストーブのほぼ中央(床から40cm以下)に設置する必要があります。

スチームルーム内に炉の扉があるストーブ

通常の密閉型ストーブを使用する場合、給気管は空気循環ゾーンの下の方の高さに合わせて設置する必要があります。給気管は、炉の扉からストーブの反対側に設置する必要があります。そうしないと、入ってきた空気が循環しないまま、スチームルームから出ていってしまいます。もう1つの選択肢としては、給気管をストーブの真上に設置する方法です。  ただし、ネット型ストーブの場合、給気管はストーブのほぼ中央(床から40cm以下)に設置する必要があります。  

Exhaust

電気ストーブまたは他の部屋から薪を入れる薪ストーブの場合、排気管をスチームルームの反対側の壁に設置する必要があります。給気管より少なくとも20cm高く設置する必要がありますが、床からの高さが60cmを超えないようご注意ください。

スチームルームの内側に炉の扉があるストーブは、ストーブ自体が排気装置として機能するため、追加の排気管設置は不要です。

結論

サウナ室における適切な換気システムの重要性は、いくら強調しても足りないほどです。換気の上手くできていないサウナで、酸素レベルの低さにより目眩や呼吸困難を経験したことがある方もいらっしゃるかもしれません。また、高温で体に負担がかかる場合もあります。そのため、サウナ体験を負担のあるものではなく、心身ともに快適なものにするために、新鮮な空気を常に供給することが大切です。適切な換気を確保するにはヒーターの種類と建物全体の換気を考慮する必要があるため、ヒーターを選ぶ際には換気システムを考慮することが大切です。選択肢が数あるため、正しいものを選ぶのは難しいかもしれません。ご不明な点がある場合は、専門家からアドバイスを受けましょう。

写真:Aire X Sauna by Heartwood Saunas www.heartwoodsaunas.com
情報源:  Hõbepappel, Urmas; Hõbepappel, Liisa; Nellis, Silja; Nellis, Siim. Suur sauna raamat.タルトゥ, (原稿)

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